上毛新聞社様とのコラボレート製品・リサイクルモデル「上毛エコファイバー」がこのたび、誕生しました。新聞古紙を主原料とする環境負荷の少なく高性断熱性能の優れた建築断熱材「セルロースファイバー」で、古紙原料を100%上毛新聞で製造したものです。当社の独自に開発した「一般消費者からの古紙回収」「一般企業からの古紙回収」「提携する新聞販売店による各地域での古紙回収」「上毛新聞印刷センターからの古紙回収(調整中)」という4本の回収ルートから調達した古紙を分別。上毛新聞のみで製造します。ほかの古紙資源は新聞は「エコファイバー」として、ほか資源もそれぞれリサイクル資源と活かします。「上毛エコファイバー」は地産地消。使用した建築物の解体後は回収して再製品化できます。リデュース・リユース・リサイクルの3R建材。環境保全・建築性能で高性能であり、断熱領域のオンリーワンの群馬環境ブランド製品です。群馬県環境政策課による「ぐんま環境新技術・新製品」に応募中です。 製造時消費エネルギー最小工場の長野県飯田市「エコトピア飯田」社(エコマーク)に製品製造を委託します。「上毛エコファイバー」は、従来の建築断熱材と比較して断熱効率が高く、住宅の冷暖房の領域で電力消費量を大幅に落とすことができます。また、食糧の貯蔵施設などの利用としても有効で、食糧保存の領域でも省電力化に貢献します。
一般の断熱材は鉱物繊維で無機質です。その繊維間には連続気泡として、多くの動かない空気を持っています。それに対して「上毛新聞エコファイバー」は天然木質繊維を原料としており、高い吸放湿性能があります。繊維の絡み合いによる連続気泡の他に、繊維の中にも多くの動かない空気泡を抱え、二重の空気の壁を持っているため、非常に高いレベルの断熱性能を発揮します。
また、独自のブローイング工法により継ぎ目がなく施工が可能で、隙間からの熱の逃げもありません。冷暖房の電力使用量は一般型住宅でおおむね半分となります。断熱性能の劣化も低く、天然素材の省エネ断熱材として、環境にも省エネにおいても優れています。
さらに、ホウ素系薬品により十分な防燃処理がなされており、もし火災が発生しても延焼を防ぐ働きがあり、化学系素材と違い、発煙量が非常に少なく、火災時の有毒ガスは発生しません。JISA1321に規定する難燃3級の表面試験に合格しています。燃焼すると大量のダイオキシンを生み出す従来の発砲系断熱材は、廃棄埋立等で処分するしかありませんが、「上毛新聞エコファイバー」はリサイクルが可能です。
エコマーク認定商品第02123040号、グリーンマーク表示(古紙再生促進センター・センター17本17号)の「エコファイバー」(JISA 9523)を群馬県から排出された新聞古紙100%でブランド製品化したリサイクル建材。原料は群馬、消費地と施工者も群馬の「地産地消」建材。専用機材を用いた専用工法で、AGNYが施工を行っております。
AGNYのオーナー企業は原町新聞販売所。上毛新聞社ほか新聞各社とのディーラーとして50年を越える実績と信頼を持つ原町新聞販売所による古紙回収のノウハウ、同業他店との連携、そして新聞社との連携という強み。全国数社のセルロースファイバーのメーカーのなかで最も群馬県に近いエコトピア飯田社との連携というAGNYの強み。双方の強みを組み合わせたものです。
群馬県では初めてとなる新しい資源循環の仕組みの提案という新技術、新しい資源循環による新製品、2つの側面を併せ持つ断熱材。それが上毛エコファイバーです。
上毛エコファイバーは製品による住宅の省エネルギー化に寄与するほか、県内の家庭や企業、行政など地域から発生する資源を分別し、再資源化証明書を発行して回収することでごみを減らし、資源のリデュースを図ります。製造面では製造時消費エネルギー最少工場での環境側面評価認定の工程により、二酸化炭素排出削減に貢献しながら資源の再利用(リユース)を図ります。自然に戻せる建材ですが、改築・改修・解体時には、引き取り回収および精製による再資源化を行い、リサイクルを行います。こうした一連の流れは、資源循環型社会を事業の中で実践するだけでなく、地域の環境教育にもプラスの効果を果たします。一般消費者による新聞古紙の持ち込みなどを奨励。出荷証明書、再資源化リサイクル証明書の発行で、地域社会で資源循環促進を図ります。
一般的な住宅を建築するにあたり、約1トンの新聞古紙(一般家庭で消費する新聞紙の3年分、2・5立方メートル)を再利用しますが、同等の新聞紙を再生紙として再利用するよりも再資源化のエネルギー消費は10分の1で済みます。また、従来の一般的に広く使用されている断熱材・グラスウール10Kの熱伝導率が0・044kcl/m・h・℃であるのに比べ、0・032kcl/m・h・℃と低く抑えられることで、冷暖房の電力消費量は40~50%の削減。製造時のエネルギー消費量は従来の断熱材に比べ15分の1程度になります。
エコファイバー次世代型省エネルギー工法(SEN工法)を採用し、メーカー責任施工体制で施工します。「上毛エコファイバー」施工代理店の技術者による責任施工が必要です。具体的には、基礎と土台の間、床と壁の取り合い部分(幅木部分)、胴差しまわり、天井の回し縁、窓枠の周囲、配管、配線などの貫通部まわり、改め口、および開口部の建具まわりなどの隙間をしっかりとらえ「上毛エコファイバー」自体や気密部材で隙間をふさぐ必要があります。また、製品の性能を十分に発揮させるために、開口部については「遮熱複層ガラス」「断熱サッシ」の採用を推奨しています。
江戸時代、地方の危機管理のために建築された「郷蔵」―。
群馬県内には小室郷蔵など8件が確認されています。
食糧保存庫としての優れた伝統建築技法はさることながら、
注目すべきは、天災に備えて食糧を地域ぐるみで共同保管、
必要に応じて共同で分配していた先人たちの崇高な営み。
AGNYは、その優れたコミニティ精神を受け継ぎます。
建築人は今こそ、地域に役立つことができると信じています。
私どもは新聞古紙を原料にした断熱材で環境負荷を減らし、
省エネ住空間と、心地いい住空間を創造するとともに、
「上毛エコファイバー」で地域の「郷蔵」を復活させる試みにも挑戦します。